1. 身体評価とアプローチのポイント
脳梗塞の後遺症と懸命に向き合ってこられた背景があり、全身に「かばう動作」による強い緊張が見られました。特に、不自由な側の足を動かそうとする際に腰を大きく持ち上げて回すような癖が定着しており、それが反対側の腰や膝への大きな負担となっていました。
「転倒への不安」から視線が足元に固定され、姿勢が崩れてさらに足が出にくくなるという悪循環を招いている状態でした。
【実施したプログラム:Elysia式・統合ケア】
- こわばりを解く鍼灸・マッサージ: 使いすぎている筋肉を丁寧にほぐし、お身体をリラックスさせることで、リハビリを行いやすい「動ける土台」を作ります。
- 関節の動きを引き出すケア: 鍼灸で緩んだ状態で、普段動かせていない側の関節をやさしく動かし、お身体に本来の動きを思い出させていきます。
- 楽に歩くための姿勢づくり: 筋力だけに頼らず、左右のバランスを整えて自然に体重を預けられるような立ち方・歩き方を練習しました。
2. リハビリテーションの結果
当初は足を引きずるように歩かれていましたが、今では足の裏全体でしっかりと地面を捉え、スムーズに一歩が出せるようになりました。
姿勢がシャキッと伸びたことで視界が広がり、以前よりもずっと楽に、安心感を持って歩けるようになっています。何より、かばって痛めていた箇所の負担が減り、「もっと歩いてみたい」という前向きな意欲が表情に現れるようになりました。
利用者様インタビュー
「杖を頼りにやっとだった私が、近所の公園まで散歩を楽しめるように」
Q:当院をご利用いただいたきっかけは?
退院してからもリハビリを頑張ってきましたが、思うように足が動かず、無理に動かそうとするほど体がガチガチになっていくのが悩みでした。このままでは…と諦めかけていた時、ケアマネージャーさんから「マッサージと一緒にリハビリができる先生がいるよ」と紹介していただいたのがきっかけです。
Q:実際に施術を受けてみていかがでしたか?
いきなり運動をするのではなく、まず最初に鍼やお灸、マッサージで体をしっかり解きほぐしてくれるのが本当に心地よいです。背中や足がふわっと軽くなった状態でリハビリを始めるので、以前のような無理やり動かしている感じがなくなりました。
以前は怖くて行けなかった段差も落ち着いて越えられますし、何より「自分の足でちゃんと歩いている」という実感が持てたことが一番の喜びです。
担当より
脳梗塞後のリハビリでは、頑張りすぎて体に力が入ってしまうと、逆に関節が硬くなってしまうことがあります。大切なのは、まず鍼灸で「筋肉のブレーキ」を外してあげること。そうすることで、本来持っている歩く力が引き出されます。
「歩ける」という自信が、新しい生活の楽しみを広げてくれます。これからも、さらに快適な毎日が送れるよう、共に一歩ずつ進んでいきましょう。
