改善事例:パーキンソン病に伴う歩行障害への多角層的アプローチ
【利用者様情報】
- 属性: 80代男性
- お悩み: パーキンソン病による姿勢の崩れ、すくみ足
- 期間: 発症から3年
1. 身体評価とアプローチのポイント
長年、第一線でお仕事をされてきた背景があり、お身体全体に強い緊張が見られました。パーキンソン病特有の「筋固縮」に加え、自律神経の乱れ(交感神経優位)が筋肉の強張りを増幅させている状態です。
特に脊柱の可動域が制限され、視線が下方に固定される「前傾姿勢」が顕著でした。これが歩行時のバランスを崩し、「一歩目が出にくい」という悪循環を招いていました。
【実施したプログラム:特別リハビリ】
- 深層組織への鍼灸・マッサージ: 頸部から背部にかけての緊張を緩和し、自律神経のバランスを整え、リハビリを行いやすい「緩んだ土台」を作ります。
- 関節モビライゼーション: 鍼灸で緩和した状態で、硬化した胸椎や足首の関節に動きをつけ、骨格を正しい位置へ導きます。
- 姿勢・歩行再学習: 骨盤の安定性を高め、腕振りを伴うスムーズな重心移動を練習しました。
2. リハビリテーションの結果
施術後は、丸まっていた背中がスッと伸び、視線が前方を向く良好なアライメントへと改善しました。
体幹に捻りの動きが戻ったことで、歩行時に自然な腕振りが現れ、足がスムーズに前へ踏み出せるようになりました。歩行スピードが向上しただけでなく、ふらつきの少ない、安定感のある歩容へと変化を遂げています。
利用者様インタビュー
「歩くのが怖かった日々から、自信を持って一人でトイレまで歩けるように」
Q:当院をご利用いただいたきっかけは?
病気の影響で体がどんどん前へ倒れてしまい、足が地面に張り付いたように動かなくなる「すくみ」に恐怖を感じていました。病院では投薬治療がメインで、具体的な体の動かし方や、この強張りをどうにかする方法が見つからず、途方に暮れていた時にケアマネージャーからの紹介でした。
Q:実際にリハビリと鍼灸を受けてみていかがでしたか?
よかったのは、リハビリの前に鍼やお灸、マッサージで体を丁寧に解きほぐしてもらえることです。ガチガチだった背中や足が軽くなり、その後の運動がとてもスムーズに感じました。
以前はトイレまで何度も立ち止まって休憩が必要でしたが、施術を受けた後は背筋が伸びて、視界が広くなったような感覚になります。一度も休まずにトイレまで歩けた時は、自分でも本当に驚きました。長年困っていた睡眠不足も少なくなったのもよかったです。
担当より
お身体の状態を拝見し、今までのご経験や頑張りが現在の緊張状態に繋がっていることが深く理解できました。心身がリラックスし、副交感神経が働きやすい環境を整えることで、パーキンソン病の症状はもっとコントロールしやすくなります。
「歩ける」という自信が、外へ向かう意欲を後押ししてくれます。これからも「心と体の調和」を大切に、二人三脚で取り組んでいきましょう。
